新製品「Jewel」誕生

ハイクオリティなプレミアム・モデル「Jewel」
ハイクオリティなプレミアム・モデル「Jewel」

昨年末より度々ご報告してまいりました

新製品がこの度、完成いたしました。

ユーザーの皆様、関係各社の皆様には

お待たせしてしまい、

申し訳ございませんでした。


スペックなどは

Product Introduction ― 製品紹介」を

ご覧いただきたいと思いますが、

製品名は「Jewel(ジュエル)」です。

「宝石」「貴重なもの」などを意味する

言葉ですが、その名に恥じない

「ハイクオリティなプレミアム・モデル」

で、タップに求められる性能のすべてが

直径14ミリの豚革・積層8枚のなかに

凝縮されています。

Jewelの革とMoori Ⅳの革
Jewelの革とMoori Ⅳの革

キャリアの長いプレイヤーに

おかれましては、

「あの頃のあのタップが良かった」と、

「自分史上最高のタップ」というものを

お持ちの方も少なくありません。

そしてその多くは

「ヴィンテージ」と称される

「一枚革タップ」であることが

多いようですが、Jewelは、

その“理想”に限りなく近く、

将来的には、そうしたヴィンテージ品の

一つになりうるものだと自負しています。

丸く抜かれた後の革
丸く抜かれた後の革

今回、新製品を生み出すきっかけと

なったことの一つには、

最高品質の革との出会いがあります。

Moori Ⅳに使用している革も、

もちろん高品質ではありますが、

今年1月にそれを上回る

最高品質の革と出会うことが

できたのです。


そこで、

「これならばよりクオリティの高い

タップが作れるに違いない」と考え、

まずはMoori Ⅳと同じ製法で試作しました。

すると、それだけでもかなりクオリティが

上がることがわかり、それならば

「かつて生み出していた

『品質の高い革でないとできない製法

使える」と考え、

Jewelの開発を進めていきました。

Jewelの箱
Jewelの箱

バッグや手袋に使われる革は、

しっとりした感触にするために

「加脂(かし)」といって文字通り

脂を加えます。

それによって革が滑らかになるのですが、

タップを製作するうえでは、

加脂はしません。

加脂してしまうとボールを撞いたときに

滑ってしまうので、むしろ原皮から脂を

抜き、どちらかというとごわつき感を

出すものなのです。

そのため、撞いたときにしっとりした感触を

もたせることは、タップにおいては

難しいと考えられていました。

Jewelの特徴の一つは、見た目が黒色であること
Jewelの特徴の一つは、見た目が黒色であること

しかしながら今回、最高品質の革に

従来と違う製法を施すことで、

耐久性や摩擦の度合いを落とすことなく、

むしろそれらをより向上させつつ、

かつ、しっとりした感触を持たせることに

成功しました。

摩擦としっとり感。

Jewelは、この相反する性能を

有しているのです。

 

性能面以外のJewelの特徴は、

見た目が挙げられるでしょう。

弊社の製品は茶色ばかりでしたから、

黒色であることは、

ユーザーの皆様にとっては

驚かれることと思います。

 

ただし、意図的に黒色にしたのではなく、もちろん、黒色に染色したのでもありません。

革を黒く染めることは簡単にできますが、単に染料を混ぜ込んでしまうだけだと、たとえばハードヒットすると壊れるなど、タップの性能を損なってしまいます。

ですから弊社では、キャリアの長い方は特に、黒などの濃い色のタップを求めることが多いと知っているものの、そうしたタップを製作してこなかったのです。

 

ではなぜ、Jewelは黒色なのでしょうか。

それは、あえて黒色にしようとしたのではなく、革の品質を最大限に活かしてどのようにして最高級のタップを作るかを追い続けた結果、生み出された数種類のタップをテストしたところ、最も優れた性能を有していたのが黒色だった、ということです。

ちなみにテストは、私と、信頼できる現役プロ選手にお願いして繰り返し行いましたが、いずれのプロ選手からも高評価をいただいています。

 

およそ4か月の製作期間を経てJewelは、この世に誕生しました。

いろいろとお伝えしてきましたが、使っていただければ、きっとJewelの性能の高さをご理解いただけると思います。

モーリ史上最高ともいえる最高級品Jewelで、より良いビリヤード・ライフをお楽しみいただければと思います。

 

ぜひお試しください。

 

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